山地竜馬インタビュー


人口流出が続く口永良部島。その島に移住して、牛2頭を飼いながら、運送会社の事務員を兼任して生計を立てている一方で、積極的に学生や社会人を口永良部島に連れてきている若者がいる。それが山地竜馬だ。

「この島なら自分に出来ることがある!!」

活動のきっかけは全くの偶然だった。学生のころ、サラリーマンをしている父親を見て、「サラリーマンにはなりたくない」と思った。しかし、大学時代熱中していたサッカーも怪我で途中でやめることになり、アルバイトで経験していたという理由だけで、サービス業に就職。夜遅くまで働いて、朝に帰るような東京での生活に、全く将来が見えなくなった。結局は母親の影響で、父親を頼って大企業の子会社でエネルギーコンサルティングを4年間手伝った。そこで大きな影響を受けたが、企業のトップと現場の考えていること、行政の考えていることのズレを非常に感じた。父親と一緒にやり続けることに自信を持てなかったのも事実だ。そんな時、鹿児島で友人の結婚式があり、その帰りに偶然口永良部島に立ち寄った。ここだ、と感じた。この島なら自分の出来ることがあるかもしれない、と思った。

「覚悟を決めてから、島民の見る目が変わった!!」

島に住み始めた当初、島民は「いつ帰るのだろう?」といった程度の反応だったそうだ。転機となったのは、半年住み込みの後に、住民票を移した事だと言う。半年住み込みの間は、楽しいが無給。将来性なし。周りも自分の本気度には懐疑的。住民票を移し、覚悟を決めて、何か出来ることを、と考えた。そして、土地がいっぱいある、という当たり前のことに気づき、農業を始めた。

「へきんこを復活させたい!!」

「へきんこ」というのは、地元魚の名前。昔、へきんこ会というのが、島にあったそうだ。当時人口流出が続いていて、1年に1回くらいは地元に帰って来てもらうことを目的に、つり大会を開催していた。しかしその主催者が亡くなってしまい、会も消滅してしまった。当時の写真を見ると、島に人が沢山いて活気があるが、今は見る影もなくなってしまった。会の名前は、人が戻ってくる島になることをイメージしてつけたそうだ。

「若者に挑戦する心を伝えたい!!」

地域の活性化ということをやりたい訳ではない、と彼は言い切る。島の人は、若い人たちが住んでいることだけで喜んでくれ、そして、何か言えば反応がある。そんな関係を持てることがとても嬉しいのだと言う。若者に「やりたいという気持ちさえあれば、やれる」という挑戦する心を伝えたい、と日焼けした顔で熱く語る。そのためには、自分自身がちゃんと生活できていることを見せつけることが重要、と言い切る。

彼の挑戦はまだ始まったばかりだ。

インタビューアー:湯浅 智之


山地 竜馬

一般社団法人へきんこの会 代表理事


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