佐野恵一インタビュー


気軽に旅行を楽しんで欲しい

「高齢者の方に気軽にお出かけをしてもらうことで、本人にも家族にも元気になって欲しいんですよ」と語る佐野さん。現在京都にて株式会社旅のお手伝い楽楽を立ち上げ、既に1000人近い方にサービスを提供している。排泄や入浴などの負荷を考えると気軽に旅行に行けない高齢者に、介護士と介護福祉士のサポートをつけることで旅行に出かけてもらうことが主な業務。出発から帰宅までのお手伝いと、目的地までは自身で来てもらい到着後サポートをする2つの商品がある。

旅行に行ってケンカしたら意味がない

この事業を始めたきっかけは自身の体験。「20歳の時に祖母を連れて旅行に行ったのですが、楽しむどころか介護が大変で喧嘩になってしまった。宿の人に手伝いを頼んでも断られるし・・・。」それ以来家族で旅行に行くときに「今回おばあちゃんどうしようか・・・」となってしまった。楽しい家族の団欒の機会が減ってしまい、外出も激減したという。それならば気軽に旅行に行けるような機会をつくれるサービスを、自らつくろうとの想いで設立した。

旅行にはリハビリ効果が!!

旅行にはリハビリ効果があるのです。『心が動けば身体が動く』と言われますが、帰宅後『明日からリハビリ頑張ろうと母が言ってくれた』『次は奈良にも行きたい』などのご連絡を頂くことが多々あります。

利用者からの評判は上々のようだ。一方で佐野さんの悩みは「正直コストがとてもかかるのです。ヘルパーのサービス料に実費を加えると、通常の倍近くコストが発生してしまうのです。」「もし介護保険適用をしてくれるようになれば、飛躍的にコストダウンできます。しかし、現在の制度は最低限生きるためにあるものなので、このサービスは適用外なのです。」

法という壁に穴を開けられれば、社会がもっと明るくなると佐野氏は語る。

気軽に旅行にでかけられる世界を実現したい

「地域が観光と福祉が一体化になったサービスを提供できるようになれば、地域自体もより活性化することになり街も発展するのです。」その地域に住んでいる人たち自身が街に出やすくなるし、そうなれば観光客も訪れた時に過ごしやすくなる。それが口コミで広がり、また観光客が増える。このような循環が進めば地域が発展しやすくなるということである。 「現在は比較的裕福な方ですら、簡単に旅行にいけていないのが実態。将来はどんな人でも気軽に=ヘルパーに気兼ねなく、金額も気にすることなく出かけられる。こんな社会にしていきたいと思っているのです。」 佐野氏の熱い想いが行政を動かせるか。現実の税制や国民負担を考えると容易なことではない。どのように乗り越えていくのか注目したい。

インタビューアー:冨塚 優


佐野 恵一

株式会社旅のお手伝い楽楽 代表取締役


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