武藤真祐インタビュー


子供の時から変わらない「人を助けたい」純粋な気持ち

「人を助けたい」と野口英世に憧れ、医者を目指したのは6歳の時。最高峰の東京大学医学部卒業後の10年間は、循環器医として現場の最前線で「命」を救い続けた。過酷な労働環境の中でもがんばれたのは、子供の時から変わらない「人を助けたい」という純粋な気持ちだった。さらに宮内庁の侍医を務め、弱者と向き合う天皇陛下の姿を見て、国民が安心して暮らせる社会にしなければならないと思うようになった。

自分との対峙

医療界の現実を考えるに連れ、「大学に残って教授を目指して疑問は解決するのだろうか」「自分の成長カーブは止まっていないか」「本当にやりたいことは何か」自分と対峙、内なる声を聞く。この時敢えて医療界を離れ、2年間の期間限定でコンサルティング会社のマッキンゼーに転身したのも、視野を広げて構造的な医療界と社会の問題に立ち向かうためだ。

過去との決別、未知の世界へ踏み出す決断、そして行動へ

再び医療界に戻ったのは大学病院ではなかった。2010年、「希望のある社会の創造」に向けて、在宅医療専門診療所「祐ホームクリニック千石」を設立する。

患者が元気な時も定期的に顔を見せ、患者と家族の人とも対話しながら在宅医療を進めるものだ。そこには、主役は患者であり、患者の生活と密着した人と人とのつながりが存在する。患者と病気の話だけ、それも数分だけの外来診療や病気の時だけ出向く往診とは全く異なるものだ。スタート直後にもかかわらず、月800人の患者と向き合い、医者12名と多数のスタッフが武藤さんの志を支え、共感の輪が広がっていく。孤立した暗い顔の老人でなく、安心した笑顔の老人を見た若者が自分の老後にも希望を持てる社会を創る。看取ることを含め医療を通じて高齢化社会の問題を解決しようとする武藤さんの強い使命感は、落ち着いた口調と真剣な眼差しからヒシヒシと伝わってくる。

使命感溢れる真のリーダー

自ら大学病院勤務の退路を断ったうえ、「自分を育ててくれた家族、仲間、社会に恩返しするためにも、自分は努力を続けなければならない」と語る武藤さんは、自らをもリードするリーダーでもある。天職である医者として、医療を中核とした「仕組づくり」を東京モデルから全国モデルへ発展させる社会のリーダーとして、医療を補完するビジネスとのマッチングを試みる企業人のリーダーとして、武藤さんのリーダーシップの旅は続く。これからも増え続ける大勢の共感する人たちを巻き込みながら・・・・・苦難の先には、人と人とが助け合う明るい希望に満ちた社会があるはずだ。

インタビューアー:石崎 浩二


武藤 真祐

祐ホームクリニック 院長


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