松田悠介インタビュー


「一人でも多くの体育嫌いを体育好きに」

松田は日々考えていた、どのようにすれば子どもの授業に取り組む意欲を向上することができるのかと。「体育を英語を混ぜながら教えてはどうか」と考えて始めたSports Englishの授業。しかし、松田の授業を止めさせようとする先輩教員もいた。松田の英語を取り混ぜた人気授業は子どもにウケけても必ずしも同僚にウケたわけではない。その壁をここでは乗り越えられないと松田は感じた。 一方で「いつか自分の学校を作ってやる」と、教師の世界を飛び出した。夢でも、計画でもなく、憤りだけだった。

「自分の学校」構想への想い

それから3年。情熱をもった新卒学生や若手社会人を2年間小中学校に教師として派遣し、彼らが存分に授業を工夫し、想いを乗せた授業を作る。「自分の学校」構想の形がおぼろげながら見えてきた。

いろいろな大人・先輩を生で感じることで、子供たちが大人の世界・社会人の世界にワクワクとした思いを感じてほしい。できれば派遣される若者の先生自身も、子供と接する時間から社会の未来に思いを馳せてほしい。ちょっとおこがましいけれど、そこにいる周囲の学校教師たちにも目覚めやきっかけを与えられないか?

そんなプログラムの2012年開業を目指し、現在準備中。初年度20名以上、五年後100人の派遣をもくろむ。 今、教師を辞めたときよりも「自分の学校」構想への想いは強くなってきている。

Teach for Americaとの出会い、そして原体験

教師を辞めた後、ハーバードへ留学し教育学修士を経て、次はビジネスを学ぼうと帰国後は大手コンサルティングファームへ。 しかし留学時代に出会った「ティーチ・フォー・アメリカ」という、一般人を教育現場へ派遣する活動への共感から思い立ち、帰国後、プログラムの準備を始めた。

原体験は自身が子供時代に受けたいじめ体験。それを抜け出すきっかけを作ってくれた体育の松野先生が忘れられない。辞職後の一見華麗な経歴とは裏腹に、教育界の松岡修造といわれる熱血漢でもある。 どちらが本当の松田か?

目下の課題は収益モデル。 そしてその先、この活動を継続かつ拡大可能なビジネスモデルに仕立てられるのか? 影響力を広げる力学は? 最終的には、どのような教育者たちで満たされた日本にしたいのか? どのような社会システムとしての教育を実現したいのか? 巨大なテーマに竹槍で立ち向かう松田にまだ答えはないが、彼から迷いは感じられない。

すでに受け入れを表明してくれた自治体、首長も出てきた。 小さな兆しの先に大きな胎動を松田は感じ始めている。

インタビューアー:水谷 智之


松田 悠介

特定非営利活動法人Learning for All 代表理事


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