川添高志「自分の近未来ビジョンを描く」

 

「自分の近未来ビジョンを描く」~X年後のSEOYグランプリ受賞スピーチ作成~

201X年、あなたの活動、功績が認められ、あなたはSEOY日本プログラムに、グランプリ受賞者として壇上に立ちスピーチをすることになりました。
その場面を想像し、スピーチ原稿を作成してください。


 

川添高志:

このたびは、このような光栄な賞を賜りましたこと、応援してくださった皆さまに、心から感謝申し上げます。

私は、高校3年のときに“医療経営”の道を志しました。

祖父が延命治療でチューブにつながれて亡くなり、家族と悲しみました。医療に問題意識を持ち、高校3年の夏休みに老人ホームでボランティアをしました。老人ホームで入浴介助をしているとスタッフは老人たちを粗末に扱い、泡がついたまま浴室から出したり、濡れた脚に靴下を履かせたりしていました。現場のスタッフは「人手が足りない」と言い、経営者は「人を雇うお金が無い」と言っていました。何とかしたいといと思いながらも、何もできない自分に悔しさが込み上げました。

運命的なタイミングで、慶應義塾大学SFCに看護師の勉強と医療経営の勉強ができる学部が新設されることを知って入学しました。大学時代において、特に2つの大きな衝撃がありました。1つは、生活保護の糖尿病患者さんが透析で年間600万円の医療費全額を公費で負担されていたこと。もう1つは、米国に短期留学した時にスーパーマーケット内で買い物途中に、保険証無しで健康診断やインフルエンザのワクチン接種、アレルギー処方などのサービスを受けられる業態を見たことでした。日本でも、手軽な予防医療サービスの事業を立ち上げたいと思いました。

そして、東京大学病院の糖尿病病棟に看護師として勤務して、手軽な予防医療サービスの必要性を改めて確信しました。糖尿病で入院する患者さんの半分が健康診断を受けておらず、気がついたときには合併症で失明や足壊疽などを持っている方も多くいました。フリーターの患者さんは健康診断の機会がなかったと言い、主婦や自営業者の患者さんは忙しくて平日の日中に健康診断には行けなかったと言っていました。患者さんは「安くて手軽に受けられる健診」を求めていました。そして、500円から血糖値やコレステロール、中性脂肪などを保険証や予約不要でその場ですぐに結果がわかるワンコイン健診を考案しました。患者さんから「是非、作ってほしい」と言われました。

この事業を自分がやらなければ誰がやるんだと思い、患者さんにケアプロを作る約束をして病院を辞め、2007年12月にケアプロを起業しました。資本金1,000万円は大学1年からの貯金を当てました。

2013年度は100万人の方に利用していただきました。まだまだ健診を受けていない方がいらっしゃるので、今後も一人でも多くの健診弱者を救い、我が国の生活習慣病予防と医療費削減に貢献できるように、命を懸けていきたいと思います。

 


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