星島郁洋インタビュー


33にして立つ

物心ついた時から、社会は暗い話題ばかりだった。 そんな中で星島は何か社会に貢献したいという思いを持って育った。

大学を卒業し、経済産業省へ。そしてドラッガースクールへの留学。そこで出会ったのが、ベンチャーファイナンス。「これだ」と思い、帰国後省内を説得して中小企業金融課へ異動。しかし、現実は、政府に依存したい中小企業とその人達を票田とする政治家の圧力、それに物分り良く従うおとなしい官僚という悪循環ばかりだった。 星島が目指すのは自立した市民がお互いに共生する社会。悪循環を断ち切るには、その根源である有権者、市民の意識を変える必要がある。 一方で、この10年若者達は、大企業指向、定年まで就職といった傾向を強め、ベンチャーをやりたいという人は減り続けている。

そんな中で、ある決意が芽生えた。 「このままではいけない。失敗してもいいから、自らが身近なロールモデルとなろう」 そう考えて、当てもなく辞表を出した。

BJリーグとの出会い

そんなとき出会ったのが、BJリーグ。日本のプロバスケットリーグだった。星島はバスケットの経験はない。しかし、実際に試合を見に行って、衝撃を受けた。バスケだけでなく、音楽、ダンスを織り交ぜての会場の一体感がすごい。次の日、また試合会場に行った。そして、その翌日も。4回目の決勝リーグに足を運んだ時、「今、自分が取り組むのはこれだ」と確信した。この感動、元気が地域をそして日本を変えることができる。そう確信してBJリーグの門戸を叩いた。

「では、高松ファイブアローズを立て直してくれるかい」BJリーグ創業者の提案に自らの人生をかけた。香川は星島にとって縁のない土地ではない。もともと岡山出身であり、両県はTV電波では同一圏だ。香川だけでは100万人だが、両県で300万人をバックに幅広い市民の共感を得たチームづくりを目指し若い星島は疾走する。

リーダーへの道

しかし、星島の前にはいくつもの壁が立ちはだかる。大スポンサーがいなくなった穴は大きく、現在の財務状況では保証協会の支援すら受けられない。また、疲弊し潰れかけた組織の中でなんとか再建を目指すのは、星島本人のみならず、選手、スタッフそれぞれにとって大変なストレスだ。官僚としてまたMBAホルダーとして、状況分析、戦略策定はお手の物だ。しかし、そんなメンバーの気持ちも汲み取りつつ、実際に戦略を実行していくリーダーとしての人間力向上が星島の目下の課題とも言える。ときには「なんでこんなことしているのだろう」と眠れない夜を過ごすこともある。しかし、星島には、バスケットボールそしてBJリーグというプロダクト、業(なりわい)への強い愛、情熱がある。その愛が、組織を立て直し、自分自身も成長するための原動力になっている。

星島のチャレンジは始まったばかりだ。ファイブアローズの再建、BJリーグの発展の先には、日本をよくする星島の夢が無限に拡がっている。

インタビューアー:岩井 睦雄


星島 郁洋

株式会社ファイブアローズ 代表取締役社長


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