林大介インタビュー


「模擬選挙」を通じ、中高生が、世の中の問題が我が事であることを体感

「中学生高校生に、模擬選挙の普及を推進しています。」模擬選挙推進ネットワーク事務局長 林 大介氏はこう語る。選挙と中高生?一見ずいぶん距離感のあるテーマに思えるが、そうではないと林は言う。 「例えば地方の首長選挙は、その地域に住んでいる人の暮らしにかかわる事。公園をつくるかどうか、お弁当か給食か、自分の市が市町村合併でなくなるとか。選挙とはそういう、自分達にとって大事なことを自分達で決める機会だということを、模擬選挙で経験する。実際のマニフェストや政権公約、新聞などを読んで、自分ならどちらを選ぶかを決める。その体験を通じて、どこか他人事のようだった地域の問題が、実は自分たちの選択の結果だという事に気づくのです。」 中高生向けとはいえ、候補者について提供される情報は実際の選挙と変わらない。比例代表のポスターを体育館に張り、実際のマニフェスト、選挙公約などを取り寄せて子供に読んでもらう。複数の新聞を読ませて取材姿勢の違いを感じてもらう事もある。実際の選挙以上の情報量と言ってもよい。

米国では全米規模で行われる模擬選挙も

「米国では、大統領選に合わせて全米規模の模擬選挙が行われるなど、広く普及しています。模擬選挙を経験すると、子供達は、政治の問題をわが事としてとらえるようになります。大人が想像するよりもはるかに。そして、大人とわかりあえるようになります。」

子供にわかるように政治が語られることが、大人の行動を変える事にもつながるのだという。「子供が政治の問題をわが事だと考え、なぜ?と大人に質問する。すると、大人は、子供にもわかるように説明することを求められる。説明責任が問われることになるのです。」

日本の「おまかせ民主主義」を変えていきたい。

林が政治に興味を持つようになったきっかけは「中学生のころに始まったニュースステーション」だというから、普通の中学生と言ってもよいだろう。高校3年生のときの学園祭の展示で「他のひとと違う、何か固いものをやってみようかな」という気持ちで、当時議論になっていた子供の権利条約をとりあげたのが今の活動のきっかけだという。 林のゴールは何か。「今の日本の「おまかせ民主主義」を、「選んだ責任を持つ民主主義」に変えていくことが、我々のゴールです。政治、というテーマを、教育現場に受け入れてもらうのには苦労も多い。でも、神奈川県ですべての高校で模擬選挙の導入が決まるなど、確実に手ごたえを感じています。政治教育、と言うと大げさですが、模擬選挙を通じて、政治は自分の問題・選んだことに責任を持つ問題だという当たり前のことを子供が感じ、そこから大人も変わっていくことで、日本の社会が変わると信じています。」

インタビューアー:宮本 淳


林 大介

模擬選挙推進ネットワーク 事務局長


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