公志園イニシャティブの本質


背景と目的

社会イノベーター公志園ロゴ
題字:大嶋啓介

社会イノベーター公志園は、現在の世界、世界の中の日本、日本の地域社会・コミュニティの現状に対する大きな危惧から生まれたイニシャティブです。 グローバリゼーションとグローバル競争の急激な進展のなか、格差、都市集中、地域過疎、社会的疎外の拡大、医療・介護制度の綻び、環境問題など、経済社会の課題があちらこちらで噴出しています。日本の誰もが、課題や矛盾が深刻であることを認識しているにも関わらず、現状を打破するエネルギーは大きな潮流を創り出すに至っていません。

社会イノベーター公志園は、時代が求める社会全体のリーダーの発掘、育成、支援を通じて、こうした私たちの現状に確かな一石を投じんとします。現状を打破し、未来を創り出すのは、結局のところ「人」であり、「行動」であるという確信から、行動を促し、行動へ声援と賞賛を送り、行動を心から支援する装置(プラットフォーム)を、この日本に構築せんとするものです。


プロセス
公志園は高校野球の「熱闘・甲子園」からの連想です。甲子園大会において、球児が、地元の支援者、監督やコーチに支えられ、観衆の声援に背中を押されながら、自身の全力を尽くし、成長を遂げていきます。公志園においては、世のため人のためと、公(おおやけ)を自らが担わんとする気概を持ち、地域コミュニティ、日本、さらには世界が直面する課題の解決と、新しい経済社会や価値観の実現に向け、企業家精神を発揮しながら、現在進行形で挑戦を続けている社会イノベーターが、全国から集います。そして、互いに切磋琢磨し、経営プロフェッショナルや企業人から善意の指導や協力を受け、自らの公の志を磨き、構想を一段と拡げ、実現へのステップを明確にしてゆきます。

初年度となる今年は、7月中旬から始まるプレ・イベントを皮切りに、8月末から始まる4つの地方予選(東北公志園、関東公志園、関西公志園、九州公志園)とその他地域での全国公募予選からプロセスがスタートし、9月17日に全国大会出場者16人が確定します。その後、出場者は東京で開催される相互支援会に月に一回の頻度で集い、コンサルティング、エンパワメント、コーチングを兼ね合わせたメンタリングを受けながら自らの問題意識を拡げ、志を深め、実現へのブレークスルーを試行します。

この全国大会における選抜支援プロセスにおいては、相互支援会での出場者同士での相互触発、メンターチームとの対話による気づき・学びの他に、出場者は、WEB上のプラットフォーム(メンターや支援者とのコミュニケーションのための公志園WEBプラットフォーム、並びに、ジャスト・ギビング・ジャパンに特設される小口寄付呼びかけプラットフォーム)を通じて、自身の活動や志を、広く潜在的支援者に対してアピールし、共感や支援の輪を広げます。選抜支援プロセスの最終段階では、16人のうちから8?10人が選抜され、来年1月22日の本選発表会に臨みます。本選発表会は、出場者は、ブラッシュアップされた構想とより深みを増した自身の公の志を、600名程度の公志園関係者・支援者・一般観客の前で発表し、最も多くの信頼と共感を集めた出場者が、栄冠を勝ち取ります。その集大成は、来年1月22日に開催される本選発表会で600名程の支援者・応援者の前で発表され、もっとも多くの信頼と共感を集めた出場者が栄冠を勝ち取ります。

公志園では、優勝賞金といった金銭インセンティブは一切掲げておりません。 出場者は、全国に対して自身の志と活動を発信し、人の心からの声援と善意の支援を受ける中で損得勘定ではなく、「誉れ(ほまれ)」の獲得を目指すからです。

また、競争の形式はとっていますが、競い合うことが主目的ではなく、参加者相互間の切磋琢磨・相互触発、さらには応援者・支援者からのメンタリングを通じての自身の人間成長と、行動のスケールアップを主眼としています。

公志園では、立場や利害関係を超えて、官・民・大学、営利(企業)・非営利(NPO/NGO)などのセクターが結集します。志とビジョンへの共感と支援の輪の広がりが、従来にないクロス・セクターでの協働と共創を実現し、更なる社会イノベーションを誘発し、日本を新たな社会発展のステージに導く。 ―それが公志園の「志」です。

意義
本プログラムの名称である「公志園」は、高校野球の甲子園大会を由来としています。
それは甲子園大会が持つ、?球児自身の成長、?観客・応援者の共感、?地域/日本全体の活性化という三つの役割に着目するからです。

? 球児自身の成長
社会イノベーター公志園では、社会イノベーターたちが、全国から集い、人から応援や支援を受けるなかで、自らの公の志を、さらにブラッシュアップさせ、現在より一回り大きな事業構想へと昇華、肉付けして、世に問います。一人ひとりが全力投球し、自分と向き合い、そして他の挑戦者たちとの交流の中で、互いに触発され、互いに努力を認め賞賛していきます。そうした姿に、周囲の人々が共感し、支援者となって協力していく・・・。そんな場を創り上げることを目的としています。従い、「公志園」は、ブラッシュアップ型のコンペティション形式プログラムの形式はとっていますが、競い合うこと自体が目的では決して無く、すべての出場者が、現在の自分に挑戦し、現状の殻を破り、一段の成長を遂げうる「場」であり、互いの挑戦と成長を称えあう場でもあります。
? 観客・応援者の共感
「公志園」が対象としているのは、プログラムに直接出場する社会イノベーターたちだけではありません。むしろ、そうした社会イノベーターの応援者、支援者、さらにはこのプログラムの成り行きを見守る一般の観客も、公志園のとても重要なプレーヤーです。高校野球の比喩に戻れば、甲子園は、球児にとっては、地域や全国の様々な人々から応援を受けることで成長する「場」ですが、応援する側の人々にとっても、勝ち負けにかかわらず、球児が全力で戦う姿を見ることで、共感、感動、気づきを得る「場」でもあるからです。

プログラムを通じて、社会イノベーターの公の志に触れる一般観客や応援者が、地域、日本、さらには世界が抱える経済社会課題への問題意識を深めてゆく。アウトオブボックスで、同時に、事業としても成り立ちうるような問題解決アプローチの可能性に関心を持つ。自分自身が持つスキルやノウハウ、周囲にあるリソースを、どのような形で活用することで、世界、日本、地域に役立つ何を創出できるかに思いを巡らす。当初は「三人称」で受け止めていた課題について、「一人称」で自分に置き直して考えてゆくことで、自分なりの貢献に向けての主体性を高める・・・。公志園における観客・応援者の学び、気づき、発見が、日本全体における社会イノベーションへの機運の健全な高まりを醸成すると考えます。

? 地域/日本全体の活性化
最後に、「公志園」プログラムは、従来にない、クロス・セクターでの人の協働を誘発することで、地域、さらには日本全体における社会イノベーションを加速する触媒でもあります。高校野球の甲子園大会においては、準備を進めるなか、球児や学校を応援する保護者、商店街、地域コミュニティ、地元企業、さらには 行政など、まさにクロス・セクターでの支援・応援の輪が広がり、地域における社会関係資本が蓄積され、開花するきっかけを提供します。甲子園は、野球を超えて地域を元気にするのです。

同様に、「社会イノベーター公志園」も、地域、さらには日本全体を活性化します。公志園のプロセスと場には、市民、ビジネス、行政、大学セクターなどから、様々な背景をもった人々が、予選・全国大会参加の社会イノベーター、メンター、支援者あるいは一般観客として、関与していきます。社会イノベーターの公の志と、事業への取り組みが、セクターの垣根を越えて人々の共感を呼び、立場や利害を超えた信頼と賞賛の人間関係を創り出します。こうした人間関係が、NPO/NGO組織に対する企業CSR・フィランソロフィーという器を通しての支援、行政主導の企業や市民セクターを巻き込んでの公民共創という、ともすれば表層的・形式的になりがちな連携を超えた、真のソーシャル・アライアンスを促進し、地域で、そして日本全国で、社会イノベーションが誘発される基盤を形成します。

 

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